お月見(十五夜)

秋の夜空に浮かぶ美しいお月様を愛でる行事「お月見」。

秋のお月見と言えば「十五夜」が真っ先に浮かびますが、「十五夜」の他にも「十三夜」と呼ばれるお月見もあります。

【十五夜とは】

「十五夜」とは、1年の中で最も美しいとされる「中秋(仲秋)の名月」を鑑賞しながら、収穫などに感謝する行事です。

もともとは中国で行われていた月を愛でる行事が平安時代の貴族に伝わりました。次第に庶民に広がっていくとともに、秋の収穫物を備えて、作物の収穫に感謝をする行事と変化していきました。「十五夜」は芋類の収穫祝いを兼ねているため「芋名月」を呼ばれ、里芋やさつまいもを供えます。

実は「十五夜」は旧暦(太陰暦・月の満ち欠けを基にした暦)の8月15日を指すため、新暦(太陽暦・太陽の運行を基にした暦)を用いる現代では毎年日にちが変わります。

 2022年: 9月10日
 2023年: 9月29日
 2024年: 9月17日

【十五夜=満月ではない!?】

十五夜のお月様は満月というイメージがありますが、実は必ずしもそうではありません。これは、月と地球の公転軌道の関係で、新月から満月までの日数が14~16日間と日数に差があり、満月になるまでの日数が異なるからです。

必ずしも十五夜が満月になるとは限りませんが、十五夜にお月見をするというのが習わしです。

ちなみに…

 2023年の十五夜は 満 月 です!

【中秋の名月】

十五夜を「中秋の名月」と言いますが、これも旧暦の季節区分に理由があります。

旧暦では7月・8月・9月を秋とされており、中秋とは秋のちょうど真ん中の日、つまり8月15日の事を言いました。そのため、「中秋の名月=8月15日の名月=十五夜」となります。中秋の時期は空が澄みわたり、最も月が美しく見えるため、お月見をするのにはうってつけの時期です。

【十五夜の楽しみ方】

十五夜のお月見にはススキ、お月見団子、芋(里芋・さつまいも)をお供えします。

ススキ
ススキは月の神様の依り代(神霊が意志を伝えるために人間界に現れる際に媒体となるもの)です。本来は稲穂を依り代にしたいのですが、時期的に稲穂が無かったため、稲穂に似たススキを御供するようになったと言われています。ススキの鋭い切り口が魔除けになるとされ、お月見をした後に軒先に吊るしておく風習もあります。

お月見団子
穀物の収穫に感謝し、米を粉にして丸めて満月に見立てて作ったのがお月見団子の始まりと言われています。月と同じく丸い団子を食べる事で、健康と幸せが得られるとされています。

【へそ餅】

たこまんの「お月見団子」は、「へそ餅」と呼ばれる、お餅の真ん中がくぼんだ形をしています。
「へそ餅」は静岡県西部地方と愛知県の東部地方の珍しい風習です。くぼんだ部分にあんこをのせて食べます。

「へそ餅」の由来は戦国時代にまで遡ります。徳川家康が幼少時代、今川氏の人質として駿府城にいた際に、三河の付き人が「元気に丈夫に育ちますように」の願いを込めて、お餅に「へそ」を付けてあんこをのせて食べさせたことが由来とされています。


十五夜は里芋などの芋類の収穫を祝う行事でもあるため、ススキ、お月見団子と一緒に芋もお供えします。

●大砂丘
『大砂丘』ってお月様に似ていますよね💭
月が綺麗な夜には、『大砂丘』をお供に夜空を見上げてみませんか?

【「十三夜」とは】

十五夜の後に巡ってくる十三夜をさし、旧暦の9月13日のお月見の事を言います。十五夜から約1か月後に巡ってくる十三夜は、十五夜に次いで美しい月だと言われ、昔から大切にされてきました。十三夜には栗や枝豆を供えることから「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。

十五夜、または十三夜のどちらか片方しかお月見しないことを「片美月」と呼び、縁起が悪いと言われています。

十三夜も十五夜同様、毎年日にちが変わります。

 2022年: 10月8日
 2023年: 10月23日
 2024年: 10月15日

この時期は空気が澄み、夜空・お月様が一層綺麗に見れる時期です。美しい月をそっと眺める。そんな時間を大切にしたいですね。