「たぬきケーキ」とは、昭和50~60年代に洋菓子店で盛んに作られた、たぬきの顔をかたどった可愛らしいケーキです。可愛らしい表情で当時大流行しました。12月の【CHEF’S CAKE】はそんな「たぬきケーキ」です。

「12月のCHEF’S CAKEを何にしようか考えていた時に、お客様から『たこまんさんでたぬきケーキを作ってくれませんか?』というお声をいただき、『やってみよう』と思いました」と語るのは、たこまんグランシェフ・天野。天野グランシェフ自身も、30年前にパティシエとしてたぬきケーキを作っていました。

当時のたぬきケーキは、バタークリームをベースにした、手の平サイズの可愛い大きさのケーキでした。「当時のたぬきケーキの可愛らしいイメージや良さを残しつつ、今のお客様に喜んでいただけるよう、現代風にアレンジを加えました。」(天野グランシェフ)

「ご家族みんなで囲んで欲しい」という願いを込めて、あえて大きく、直径15cmのドーム型のホールケーキにしました。ケーキをコーティングするガナッシュクリームは30年以上変わらない製法でお作りしている、いわば「たこまんの味」。ケーキが大きくなることでガナッシュクリームが主張しすぎない様、ケーキの内容に大胆なアレンジを加えています。

ケーキの中は2種類のムース&苺ジュレ&くちどけの良いブラウニー。
マスカルポーネムースがなめらかなミルク感、ナッツのペースト入りのチョコムースがコクを演出。静岡県産「紅ほっぺ」を使用した少し酸味のある苺ジュレが味にアクセントを加えます。ブラウニーにはレーズンとくるみを忍ばせ、食感のアクセントも楽しめます。

当時のたぬきケーキの良さを残しつつ、今の時代に合った形で表現するために何度も試行錯誤を繰り返しました。「どのケーキも創り上げるためには長くて険しい道のりが付き物です。でも、お客様に『美味しい』と言っていただけることが嬉しくて、それだけで『もっと頑張ろう!』と思えるんです」(天野グランシェフ)。このたぬきケーキにも「お客様に笑顔になっていただきたい」の想いが込められています。

「ご家族でケーキを囲みながら、おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんへ昔話をしながら、楽しく召し上がっていただきたい」と笑顔で語る天野グランシェフ。可愛らしいたぬきケーキを囲みながら、ご家族と温かい時間を過ごしください。

「当時の社長(現・会長)から自分の師匠へ、そして自分へ受け継いできた思い入れのあるケーキです。後輩にもしっかりと伝えていきたいです」(天野グランシェフ)

– 大切にしている言葉 –
お客様の笑顔

◆パティシエ歴36年

◆これまでの経歴と現在のお仕事内容を教えてください。

高校卒業後、別の菓子メーカーに入社しました。「和菓子と洋菓子のどっちをやりたい?」と聞かれて、迷わず洋菓子を選びました。だってかっこいいから(笑)(※個人の感想です)。たこまんに入社後は、ケーキの製造を経験した後、20年以上商品開発を担当しています。新しいお菓子の開発や若いパティシエへの指導を行っています。

◆なぜパティシエになりたいと思ったのですか??

もともと料理が好きでした。学生の時はお弁当を自分で作っていました。
実は小さい頃はケーキとは無縁で、せいぜいクリスマスの時に食べるバターケーキくらいでした。18歳のころ、初めて生クリームのショートケーキを食べた時の感動は今でも忘れません。

◆天野さんの好きなお菓子やケーキはなんですか??

やっぱりたこまんのショートケーキです。シュークリームも好きで、いろいろなお店の物を食べ比べしています。

「自分が先輩から教えて頂いた製法、技術、味があります。それらは今の時代に合わせて変えていくものもあれば、変えずに大切にしていくものもあります。そのことを後輩たちにも伝えていきたい」と熱く語る天野グランシェフ。たこまんパティシエたちの先生であり、優しく楽しいお兄さんでもあります。これからもたこまんパティシエの中心で、お客様の笑顔を作り続けていきます。